事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループといたしましては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応等に努める方針でありますが、投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行なわれる必要があります。以下の記載は、当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではないことにご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2016年12月21日)現在において当社グループが判断したものであります。

価格に係るリスク

免疫細胞治療は先進的な医療技術であるため、一般的な治療として行われている外科療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療等)等のように、現時点では保険診療の対象とはなっておらず、当社契約医療機関における免疫細胞治療1クールの治療費総額は、医師が適切と判断する治療の種類等にもよりますが、およそ160万円であります。当社は、免疫細胞療法総合支援サービスの対価として細胞加工の種類と回数に基づく変動課金制によるサービス料を頂いておりますが、その金額は当該契約医療機関の患者が負担する治療費に制約されます。また、免疫細胞治療は先端医療であるがゆえに、医師の治療方法に対する考え方に相違があること、関連技術が急速な進歩過程にあること等の理由により、標準的な価格水準が定まっていません。今後、免疫細胞治療の治療費水準の変化等に伴い、当サービス価格の見直しがなされた場合には、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。また、平成26年11月に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下「再生医療等安全性確保法」)が施行され、免疫細胞治療は医療機関により適切に提供されることになりましたが、今後、本法令を遵守した運用の中で新たな対応策が求められる可能性も考えられることから、免疫細胞療法総合支援サービスの対価そのものの形態が変更される可能性があります。

企業が細胞加工を受託する「細胞加工業」というビジネスモデル構築の過程において、どのような価格体系が形成されるかは今後の動向次第であり、そのため免疫細胞治療に係る価格については未だ不確定要素があります。

今後、再生・細胞医療分野の産業化に向けた環境が整備され、多くの新規企業による市場参入及び競争激化に伴い、免疫細胞療法総合支援サービスの対価及び新たなビジネスの対価競争が生じた場合には、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。

競合及び競合他社に係るリスク

(1) 再生・細胞医療に係る分野への企業参入状況

「再生医療等安全性確保法」並びに「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」)(以下、両法律を総じて「再生医療関連法」)の施行は、これまで明確な法的枠組みが整わなかったために再生・細胞医療市場への参入を控えていた製薬企業等が参入する機会となり得ます。現在、複数の企業が、当社グループのビジネスと類似したモデルで免疫細胞治療を含む再生・細胞医療に係る分野に参入してきております。こうした動きは、新たな技術革新の進展を促し、市場が拡大していく反面、玉石混淆の状況を作り出す可能性もあり、結果として患者のデメリットになることも考えられます。他企業がトラブルを起こした場合、業界全体のイメージ低下等により、当社グループも間接的に悪影響を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2) バイオテクノロジーの進歩に伴う競合

当社グループの属するバイオテクノロジー業界は急速に変化・拡大しておりますが、特にがん治療分野では新しい治療薬の研究開発が進んでおります。大手製薬企業が、がんをターゲットとして開発を進める免疫チェックポイント阻害薬(がんの免疫逃避機構を阻止する薬)、分子標的薬(病気に関係がある細胞だけに働きかける機能を持った新しいタイプの治療薬)、血管新生阻害剤(がん細胞に栄養や酸素を供給する血管の新生を抑える薬)等は免疫細胞治療との併用効果が期待されておりますが、仮に免疫細胞治療との併用とは関連なく、治療効果の高い医薬品が開発された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループにおいては、積極的な研究開発投資により、常に最先端の技術への対応、業界に先駆けた新技術の開発等に注力しておりますが、当該技術革新への対応が遅れた場合、あるいは、現在の主力事業の対象となっている免疫細胞治療に代わる画期的な治療法が開発された場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

品質管理体制に係るリスク

当社は、平成16年3月19日、細胞加工業としては世界に先駆け、国際標準化機構が制定した品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得し、当社の細胞加工業がグローバル・スタンダードに照らして適正に運営されていることを、独立した第三者機関による審査を受けることで裏付けてまいりました。今後は、ISO9001の認証の取得に加え、新たに施行された再生医療関連法の下、これまで培った経験・知見、再生・細胞医療分野の事業ノウハウを用いて効率的に適合させ、信頼ある細胞加工業を推進してまいります。現在、当社グループでは以下のような品質管理体制を整備・運用しております。

(1) 細胞培養加工施設の運営管理

当社が契約し、医療機関内で細胞加工を行っている施設は、「再生医療等安全性確保法」に適合する設備構造を有しております。また、当社の細胞培養加工施設として第1期工事が完成した品川細胞培養加工施設(品川CPF)は平成27年5月に「再生医療等安全性確保法」における特定細胞加工物製造事業者許可を取得し、医療機関、企業等からの細胞加工を受託の体制が整っております。

(2) 細胞加工技術者の育成・確保

「再生医療等安全性確保法」の施行により、企業が医療機関から治療用細胞の加工を受託することが可能となっております。十分な安全管理体制を確保できない医療機関や細胞培養加工施設を有しながらも効率的な運営ができない等の問題を抱える医療機関から治療用細胞の加工を受託することが可能となり、当社にとってこれまでの事業経験をアドバンテージとして、営業収益を拡大する機会となります。しかしながら、治療用細胞を適正かつ安全に加工するためには、十分な教育を受けた細胞加工技術者の確保・育成が必須です。当社ではこれまでの経験に裏付けされた治療用細胞の加工を適正かつ安全に行うための細胞加工技術者の育成システムを有しており、継続的に細胞加工技術者を育成・確保に努めております。

(3) 原材料管理

細胞加工には常に安全な原材料を用いることが条件となるため、培地(細胞培養液)や試薬については、製造先との厳密な購買契約を締結し、培地や試薬の不良品の混入、劣化を未然に防ぐとともに、仕入、保存管理の徹底、検査体制の充実等、常に品質管理体制の強化を図っております。

当社グループは、今後とも常に品質管理体制の強化に努めてまいりますが、人材流出、培地や試薬の不良品の混入、劣化、細胞加工の過程における人為的な過失、地震や火災の災害等が発生した場合には、重大な事故に繋がる恐れもあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、再生医療関連法が施行された下で運営されている細胞培養加工施設の前例がまだ少なく、新たに定められた法律であるため、関係官庁の動向や当社が想定し得ない事象が生じた場合には、その対応の為、当社グループの事業推進に影響を与える可能性があります。

法的規制の影響

当社グループは、事業の遂行にあたって、関連法令を含めた法令を遵守しております。主には、次に挙げる再生医療関連法の法的規制の適用を受けています。

(1) 「再生医療等安全性確保法」との関連

「再生医療等安全性確保法」は、再生医療等に用いられる再生医療等技術の安全性の確保及び生命倫理への配慮や医療機関が再生医療技術を用いた治療を行う場合に講じるべき措置、治療に用いる細胞組織の加工を医療機関以外が実施する場合の細胞加工物の製造の許可等の制度を定めた法律です。今後、治療に用いる細胞加工を行う場合には、細胞培養加工施設ごとに「特定細胞加工物製造業許可」を取得する必要があります(但し、医療機関が細胞加工を行う場合には届出のみ)。医療機関が再生医療を行おうとする場合には、再生医療等提供計画の作成、認定再生医療等委員会における審議、厚生労働省への計画書等の提出が義務付けられます。そのため、医療機関にとっては、こうした手続き等の負担が大きくなりますが、一方で、こうした適切な治療手続きを行っていない医療機関等は排除されていくことになります。

当社は、上記のような医療機関に対して法律対応を支援するとともに、特定細胞加工物製造事業者許可を取得した当社が保有する細胞培養加工施設で医療機関からの細胞加工を受託しております。しかしながら、新たに定められた法律であるため、関係官庁の動向や当社が想定し得ない事象が生じた場合には、その対応のためのコストが発生する可能性があり、そのため、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 「医薬品医療機器等法」との関連

「医薬品医療機器等法」は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療機器の研究開発の促進のために必要な措置、医薬品等の有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うことを目的とした法律です。本法律では、再生医療技術を用いた医療用の製品として、新たに再生医療等製品がカテゴリ化されており、当社が再生医療技術を用いた医療用の製品開発を行う場合には、当法律に従うことになります。

再生医療関連法には罰則が規定されており、「再生医療等安全性確保法」に関しては当社グループ及び契約医療機関が、「医薬品医療機器等法」に関しては当社グループ及び当社グループが技術導入・導出した企業等が予期せず当該罰則規定に抵触した場合には、罰則金の支払いが生じること等から、当社グループの社会的な信用を失う可能性があります。

研究開発に内在する不確実性

当社グループが事業展開する再生・細胞医療分野は、日進月歩に進化するがゆえに、継続的な研究開発活動は持続的成長にとって大変重要な役割を担っております。

当社グループでは、研究開発を通して将来に渡る企業価値向上を図るべく、研究開発を戦略的に遂行していくための体制を構築し、積極的な活動を行っております。

これらに必要な研究開発費は、平成26年9月期659,333千円(連結総売上高に対する比率35.8%)、平成27年9月期645,978千円(同比率38.6%)、平成28年9月期603,364千円(同比率31.6%)となっており、将来に渡る企業価値向上を図るための先行投資と認識しております。

しかしながら、研究開発投資に見合うだけの事業化等による研究成果が得られなかった場合等には、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。

知的財産権に係るリスク

(1) 特許出願状況

当社グループは、平成11年4月に分子免疫学研究所を開設して以来、バイオテクノロジー及びその周辺分野における最先端の研究開発及び技術開発に取り組んでおり、平成28年9月末までに、32件の特許を出願(うち海外出願11件)しております。その内、特許出願内訳は、技術に関するものが31件、ビジネスモデルに関するものが1件となっており、今後も、さらに知的財産権の獲得を進めていく方針であります。また、保有する知的財産権につきましては、自社利用のみにこだわることなく、積極的に他社へのライセンシング供与を検討し、当社グループ技術のデファクト・スタンダード化を促進してまいります。

当社グループの出願特許状況は、以下の通りです。

特許出願状況及び特許一覧(2016年9月末現在)

出願件数 (国内)21件 (海外)11件 ※本件数は未公開出願も含みます。
登録件数 (国内)17件 (海外)米国6件、欧州6件、豪州3件、中国3件、韓国2件、インド1件
登  録 ドナー等識別方法及び生体物質識別手段 日本 特許4031932号
医療支援システム 日本 特許4136350号
樹状細胞、該樹状細胞を含む医薬、該樹状細胞を用いた治療方法およびγδT細胞の培養方法
(Dendritic cell, drug containing the dendritic cell, therapeutic method using the dendritic cell and method of culturing gammadelta T cell)
日本 特許5156137号
米国 US8513010
欧州 EP1788078
豪州 AU2005260887
韓国 KR10-1217706
抗原提示細胞の活性化処理方法
(Method for activation treatment of antigen-presenting cell)
日本 特許5307944号
日本 特許5384827号
米国 US8609410
欧州 EP1930414
豪州 AU2006288348
中国 ZL200680032855.6
韓国 KR10-1419711
インド IN273279
CTLとγδT細胞の同時誘導方法
(Method for simultaneous induction of CTL and γδT cell)
日本 特許5524056号
米国 US8962313
欧州 EP2311470
中国 ZL200980133423.8
食道癌の抗原およびその利用 日本 特許4557886号
癌抗原及びその利用
(Cancer antigens and utilization thereof)
日本 特許5112615号
日本 特許5291641号
米国 US9404925
欧州 EP1536006
培養容器、培養装置および細胞の培養方法 日本 特許4668568号
リンパ球増殖抑制因子の吸着剤及び処理方法 日本 特許4958554号
細胞培養評価システム、細胞培養評価方法および細胞培養評価プログラム
(Cell culture estimating system, method of cell culture estimation and cell culture estimating program)
日本 特許4932703号
欧州 EP1862533
細胞培養装置
(Cell culture apparatus, cell culture method, cell culture program and cell culture system)
日本 特許5243038号
米国 US8383395
細胞培養用振盪装置及び細胞培養方法の振盪培養方法
(Shaker for cell culture and shaken culture system in cell culture method)
日本 特許5197013号
米国 US9175253
欧州 EP1944359
免疫増強機能を有する抗体 日本 特許5616782号
新規モノクローナル抗体とその用途 日本 特許5686600号
不溶性蛋白質及び/又はペプチドの可溶化方法
(Method for solubilizing insoluble protein and/or peptide)
日本 特許5829517号
豪州 AU2010242374
中国 ZL201080029524.3

上記のうち、「医療支援システム」は、免疫細胞療法総合支援サービスにおける「オーダーメイド医療管理システム」として実用化されております。また、「樹状細胞、該樹状細胞を含む医薬、該樹状細胞を用いた治療方法およびγδT細胞の培養方法」及び「抗原提示細胞の活性化処理方法」は、免疫細胞療法総合支援サービスにおける「樹状細胞ワクチン療法」に関連する技術として日本において実用化されており、当社の提供する技術を保護する重要な特許となります。本技術の海外特許権については、今後、海外へのライセンシング供与を検討してまいります。医療技術や細胞加工に密接に関わる重要な(周辺)技術については、積極的に知的財産権の出願を行い、当社グループの技術を適切に保護してまいります。

但し、これら先端医療技術の中には、特許として知的財産権を獲得するよりも、ノウハウとして保有する方が事業戦略上優位であると考えられるものも少なからずあり、必ずしも全ての技術について特許としての権利化を目指す必要はないと考えております。当社グループの持つ技術・ノウハウについては、取引先あるいは共同研究先との秘密保持契約等で守ることにより、外部流出が厳しく管理されております。

このように当社グループは、当社独自の技術あるいは研究成果、事業化に伴うビジネスモデルに関し、必要に応じて、また可能な範囲において特許権等知的財産権の出願を行い、権利の保護に努めております。

また、他社からの当社グループ知的財産権の侵害及び他社知的財産権に対する侵害等に関しては、常時技術・特許調査を行い、権利の保護及び他社特許の侵害を回避するためのスキームを策定し、当社グループの技術やビジネスを適切に保護しております。

しかしながら、このように常に様々な状況を想定し、対応している中においても、出願した案件が権利化できないという可能性もあります。また、権利化できた場合でも、実際にその権利を行使できない可能性や、第三者の権利に抵触している可能性もあります。

(2) 医療行為及び関連技術に係る特許

現在、当社グループ契約医療機関で既に実施されている医療行為については公知の事実となっているため、現在の主要事業に関し上記係争リスクはないものと考えております。現在、特許庁では、再生医療等の発展に伴い、再生医療等に関連する技術に対応した発明に関する審査基準が運用されております。これにより保護される範囲が拡大され、当社グループが開発する技術のうち細胞を用いた医療関連技術に関しても特許化できる可能性が高まりました。また、政府の知的財産戦略本部では、社会の変化に対応した知的財産の保護についての検討が継続して行われております。当社グループとしても今後の動向を注視し、その時々の法規に沿った形での権利保護に努めてまいります。

政府の推進政策等の変化

現在、日本においては、再生医療関連法の施行等により、再生・細胞医療分野に関する規制制度環境が整備されております。また、それ以外にも再生・細胞医療、バイオテクノロジー及び先端医療に係る各種の推進政策が実施されており、これらの推進政策は、これまでの主力事業である免疫細胞療法総合支援サービスだけではなく、当社グループの新たなビジネスモデルである細胞加工業及び細胞医療製品事業等、今後当社グループが事業を展開する分野に大きく関わっております。

政府の主な推進政策とその概要は以下の通りであります。

(1) 新たな成長戦略テーマとしての医療関連産業

日本経済の再生に向けた成長戦略の一環として平成28年2月に閣議決定された「日本再興戦略-第4次産業革命に向けて-」の官民戦略プロジェクト10において、医療関連産業の活性化を行うための方策として、医薬品・医療機器開発・再生医療研究を加速させる規制・制度改革等が含まれる等、近年、成長産業としての医療分野の注目度が急速に高まってきております。

上記戦略においては、医療などの社会保障関連分野が有望成長市場の一つに位置づけられ、「世界最先端の健康立国へ」として日本発の優れた医薬品・医療機器等の開発・事業化、グローバル市場の獲得・国際貢献を行うこと等が盛り込まれていることから、その政策動向如何により、当社グループの今後の事業展開に影響を与えるものと考えております。

(2) 先進医療制度

日本における医療制度においては、保険診療と保険で認められていない診療(保険外診療)の併用は原則として禁止されております。しかし、将来的に保険導入を目指す先端的医療技術については、「先進医療」という制度によって保険診療との併用が認められています。

これにより今後、「先進医療」として免疫細胞治療を実施する医療機関が増え、免疫細胞治療の認知、普及が更に進むことが期待されます。

しかしながら、今後、これら政府の政策の方向性に大きな変化が生じることとなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

特定の取引先への依存

当社グループの技術・サービスを供与する契約医療機関は、平成28年9月30日現在、医療法人社団「滉志会」の4医療機関「瀬田クリニック東京」(東京都千代田区)、「瀬田クリニック新横浜」(神奈川県横浜市港北区)、「瀬田クリニック大阪」(大阪府吹田市)及び「瀬田クリニック福岡」(福岡県福岡市博多区)に加え、「東京大学医学部附属病院」(東京都文京区)、「国立病院機構大阪医療センター」(大阪府大阪市中央区)、「九州大学先端医療イノベーションセンター」(福岡県福岡市東区)、「金沢大学附属病院」(石川県金沢市)、「医療法人社団 葵会 AOI国際病院」(神奈川県川崎市)、「学校法人順天堂 順天堂大学」(東京都文京区)の10施設であります。

このうち、医療法人社団「滉志会」の4医療機関に対する売上の総額は、平成28年9月期1,719,496千円(連結売上高に占める割合90.1%)と、現時点では同医療法人に対する依存度が高い状態にあります。医療法人社団「滉志会」は、当社と緊密かつ安定的な関係にありますが、今後両者の関係が悪化した場合や、万が一同医療法人において不慮の事故が発生すること等により受診患者数の減少、閉鎖等の事態に至った場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

細胞医療製品事業及び貸付金に係るリスク

当社グループは、計画的に細胞医療製品の開発を進め、最終的には細胞医療製品の製造販売承認を取得することにより、細胞医療製品事業を細胞加工業に続く新たな収益の柱とすることを目指してまいります。細胞医療製品開発においては、計画の進捗管理のためにマイルストーンを設け、マイルストーンごとに検証を加えながら慎重に細胞医療製品開発を進めてまいりますが、細胞医療製品の臨床試験において必ずしも当社の期待したとおりの結果が得られるとは限らず、結果として細胞医療製品の製造販売承認が得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、当該事業に係るライセンス契約の相手先米国Argos Therapeutics社に対して、資金の長期貸付を行っており、平成28年9月30日現在の残高は6,000千米ドル(606,720千円)であることから、貸付先の運営が計画通りに進まず引当金等を設定する場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

マイナスの利益剰余金

当社グループは、平成23年9月期から前期まで5期連続で売上高が減少していたことや、多額の研究開発費用が先行して計上されること等により、平成23年9月期より6期連続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、それ以前の累積損失と合わせて、利益剰余金の欠損額9,154,581千円を計上するに至っております。当連結会計年度に関しては、売上高が前期比234,944千円、14%増と回復しております。来期以降もこれまで事業の中核をなしていた免疫細胞療法総合支援サービスの売上を増加させ、新たに細胞加工受託を事業化することにより、早期の黒字化を達成させてまいります。また、将来的には細胞医療製品の開発、製造、販売を実現することにより、飛躍的な成長を達成し、利益剰余金の欠損額の解消を目指してまいります。しかしながら、当社の売上高が計画通りに確保できず、今後も親会社株主に帰属する当期純利益を獲得出来ない場合、利益剰余金のマイナスが長期に渡って継続する可能性があります。

資金調達に関する事項

当社グループは、当連結会計年度において第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行による資金調達を実施したこともあり、当連結会計年度末の手元資金(現金及び預金)残高は2,494,270千円となり財政基盤は安定しております。また、既に発行している、第10回、第11回の新株予約権が行使されることによる資金調達を計画しており、財政基盤の安定は継続する見込みです。しかしながら新株予約権の行使価格等の条件の制約や、その他の理由により計画通りに資金が調達できない場合は、細胞医療製品の開発や細胞培養加工施設への設備投資が計画通りに進められず、当社グループの事業の推進に影響が及ぶ可能性があります。